提携ローンの金利|安いから安心は本当か【茨城・千葉|費用と資金計画】

家づくりコラム

どんな間取りにしようか、壁紙や床材はどれを選ぼうか、キッチンはどんなデザインにしようか。家族で思いを巡らせ、理想の住まいを描き出す時間は、とてもワクワクする楽しいひとときですよね。

しかし、その理想の暮らしを形にするためには、必ず向き合わなければならない現実があります。それが資金計画、つまり「住宅ローン」の話です。

ハウスメーカーや工務店との打ち合わせが進むと、担当者からほぼ間違いなく、こんな提案を受けることになります。 「うちが提携している銀行のローンを使いませんか?手続きがスムーズですし、金利も優遇されますよ」

決めることが山のようにあって少し疲れを感じ始めているタイミングでこう言われると、「プロが勧めてくれるし、ラクでお得になるならそれでお願いしよう」と思う気持ち、よく分かります。

ですが、ここで一度だけ立ち止まり、冷静に資金計画と向き合ってみてほしいのです。

「提携ローンが、自分たちにとって一番お得な選択肢である」とは限りません。これは、実際に家づくりをした多くのケースから見ても確かなことです。

なぜそう言い切れるのか。今回は、建てた後も無理なくゆとりある暮らしを続けていくために、住宅ローンを選ぶ際に知っておきたい「3つの基準」についてお話しします。

「提携ローン=一番金利が低い」という思い込みを手放す

まずは、一番気になる「金利」の話から始めましょう。

営業担当者が口にする「提携しているから金利が優遇されます」という言葉。これは決してウソではありません。 実際に、その銀行が一般向けに提示している基準金利から見れば、提携割引が適用されて安くなっていることがほとんどです。だからこそ、「特別な扱いを受けているから、これが最安値に違いない」と感じてしまうんですよね。

でも、少しだけ視野を広げてみてください。 自分でネット銀行や、地元の地方銀行の住宅ローンを調べて比較してみると、どうなるでしょうか。

実は、提携ローンで優遇された金利よりも、ほかの銀行が一般向けに提供している金利のほうが低いというケースは、ごく普通にあります。

ハウスメーカーが提携している特定の銀行が、必ずしも全国で一番低い金利を提供できるわけではありません。「提携=最安値」という前提は、一度フラットな目で見直してみることをおすすめします。数多くの選択肢の中から、本当に合ったものを見極める。思い込みを手放すことが、後悔しないための第一歩です。

見落としがちな盲点、数十万円単位で変わる「初期費用」

次に気をつけたいのは、「手数料」などの初期費用についてです。ここが、住宅ローン選びでとても見落とされがちなポイントになります。

住宅ローンを借りるときには、金利だけでなく、銀行に支払う「事務手数料」や「保証料」という初期費用が必ずかかります。 最近多いのは、「借入額の2.2%(税込)」といった形で事務手数料が設定されているケースです。

パーセントで見ると小さく感じるかもしれませんが、実際の金額に直すとどうなるでしょうか。 たとえば、3000万円の住宅ローンを組んだとします。その2.2%は「66万円」です。もし4000万円なら「88万円」。 これは、新しい住まいの家具や家電を一式揃えたり、外構をきれいにおしゃれに整えたりできるほどの大金ですよね。

たとえ提携ローンの金利がほかの銀行より0.1%低かったとしても、この事務手数料や保証料が高く設定されていれば、最終的に支払うトータルコストは簡単に逆転してしまいます。目先の金利の低さだけに気を取られていると、この大きな出費に気づけません。

家づくりでは「総額」を意識することが大切だと言われますが、住宅ローンもまったく同じです。一部の数字だけを見るのではなく、全体を含めて比較して初めて、本当の損得が見えてくるのです。

家族の未来を守る「団体信用生命保険(団信)」の質

そして三つ目。ある意味で金利や手数料以上に大切なのが、「団信(だんしん)」についての話です。

団信とは「団体信用生命保険」の略で、ローンを契約した人に万が一の事態(死亡や高度障害など)があったとき、残りの住宅ローン返済がゼロになる大切な保険のことです。

「どこの銀行で借りても、同じような保険がついてるんでしょ?」と思うかもしれませんが、実は銀行によって保障の条件にはかなりの差があります。 最近では、「がんと診断されただけで残りの支払いが半分になる」「三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)までしっかりカバーされる」といった、手厚い保障を用意している銀行も増えてきました。

ここで重要なのは、そうした手厚い保障が「無料(金利上乗せなし)」でつく銀行もあれば、金利に「+0.1%などの上乗せ」をしないとつけられない銀行もある、ということです。

住宅ローンは、単なる借金ではありません。これから何十年もの間、家族の生活と住まいを守るための「命綱」でもあります。だからこそ、金利の数字だけで判断せず、いざという時の保障内容も含めて慎重に検討することが大切なんです。

失敗しない比較のルールは「3点セット」と「総返済額」

ここまで、住宅ローン選びで確認しておきたい三つのポイントをお話ししてきました。

  • 金利
  • 手数料(初期費用)
  • 団信(団体信用生命保険)

住宅ローンを比較・検討するときは、ぜひこの「三つをセット」にして全体像を見てください。どれか一つだけを取り出して比較しても、正しい答えを出すのは難しくなります。

そして、もう一つおすすめしたい確実な比較方法があります。 それは、「毎月の返済額がいくらになるか」だけで比較するのではなく、「35年間(あるいは設定した期間)の総返済額でいくらになるのか」を比較することです。

月々の支払い額だけで見比べてしまうと、初期費用の高さや団信のコストなどを正確に把握しづらくなります。 すべてを含めて、「最終的に自分たちの手元からいくらのお金が出ていくのか」を比べること。 家づくりにおいて、将来のメンテナンス費まで見据えた資金計画が欠かせないように、住宅ローンも「トータルの総額」で比べることこそが、失敗しないための大事なルールです。

「手続きのラクさ」と「数十万円のコスト」、どちらを選ぶか

最後に、これらを踏まえた考えをお伝えします。

提携ローンを選ぶことを、頭ごなしに否定するつもりはまったくありません。提携ローンの最大のメリットは、何と言っても「手続きが圧倒的にラクなこと」です。 面倒な書類の準備や提出の手間が省け、審査のスケジュールも家づくりの進捗に合わせてスムーズに調整してもらえます。仕事や子育てで忙しい日々を送る皆さんにとって、この手間のなさは計り知れない価値があると思います。

でも、「手続きがラクなこと」と「経済的にお得なこと」は、別の視点で考える必要があります。 効率やスピードを優先して手続きの負担を減らした結果、35年間の総返済額が数十万円、場合によっては百万円単位で高くなってしまうことも、現実には起こり得るからです。

その差額を受け入れてでも、自分の時間と労力を節約する「ラク」を選ぶのか。 それとも、少しだけ自分で労力を使って銀行を調べ、比較検討することで、将来の暮らしに繋がる経済的なメリットを取るのか。

どちらが正解ということはありません。ご自身のライフスタイルや価値観に照らし合わせて、家族でじっくりと話し合ってみてください。 一番大切なのは、知らずに流されて決めてしまうのではなく、「事実をすべて把握したうえで、納得して選ぶ」ことなんです。

おわりに

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

家づくりでは、どうしても目に見えるデザインや設備にばかり時間と情熱を注いでしまいがちですよね。 でも、住宅ローンはこれから何十年もの長い間、あなたと家族の暮らしに寄り添い続ける大切なパートナーです。長く付き合う相手だからこそ、建物と同じくらい真剣に向き合って選んでほしいと心から願っています。

「提携ローンだから安心だろう」という言葉だけで終わらせず、できればハウスメーカーから提案された提携ローンと、自分で調べた銀行のローンを、二つか三つ並べてみてください。そして、それぞれの「総返済額」を見比べる時間を作ってみてください。

それだけの行動で、自分の決断に対する納得感は驚くほど変わるはずです。 少しの確認を惜しまず、家族の未来を安心して託せる最適な住宅ローンと出会えることを応援しています。あなたの家づくりが、素晴らしいものになりますように。

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