耐震等級とUA値とC値|耐震・断熱・気密の基準は?【茨城・千葉|高断熱高気密】

木造の小屋組が組み上がった建築中の内部 家づくりコラム

迷わない!住まい選びの秘訣

「一生に一度の家づくり、絶対に失敗したくない」

そう強く願うからこそ、住宅メーカーのサイトを隅々まで読み込み、展示場で何人もの営業マンの話を聞いて回る。しかし、調べれば調べるほど、「結局、何が正しいの?」「誰を信じればいいの?」と、深い迷路に迷い込んでしまう……。

真剣になればなるほど、情報の波にのまれてしまうその苦しみ、実は多くの方が通る道なのです。決してあなただけではありませんから、どうか安心してください。

心から満足できる「良い住まい」に巡り合うためには、流行や営業トークに左右されない、プロだけが知っている「揺るぎないモノサシ(基準)」が存在します。

この基準を知っているだけで、星の数ほどある建設会社の中から、「あなたのご家族を守り、長く快適に暮らせる実力を持った会社」が自然と浮かび上がってきます。そうして残った信頼できる会社の中から、デザインや相性、予算に合わせて選ぶことこそ、後悔のない家づくりへの一番の近道なのです。

ここでは、プロである私が「自分の家を建てるなら絶対に譲らない」と考える住まい選びの秘訣を、その理由とともに丁寧にお話しします。

耐震等級は、どこまで必要か

まず最初に、ご家族の「命」に関わる一番大切なお話をさせてください。耐震等級には1から3までのレベルがありますが、これから家を建てるあなたに選んでいただきたい正解は一つだけです。

それは、「耐震等級3(最高等級)」です。これは、建築基準法で定められた強さ(等級1)の1.5倍の強度を持ち、消防署や警察署など、災害時の防災拠点となる建物と同等の強さを意味します。

「等級1でも法律はクリアしているし、大丈夫なのでは?」と思われるかもしれません。しかし、等級1は「一回の大地震で倒壊しないこと」が基準であり、繰り返しの余震などでダメージが蓄積することは想定されていないのが現実です。実際に熊本地震では、等級1の住宅が倒壊被害を受けた一方で、等級3の住宅の多くは軽微な被害で済み、そのまま避難所に行くことなく自宅で生活を続けることができました。

大切な家族を守るシェルターとしての家。「〇〇工法だから強い」という言葉の響きよりも、「構造計算を行い、等級3の認定証を出せる」という客観的な事実こそが、あなたの暮らしに本当の安心をもたらします。

断熱性能の指標:UA値

「冬、家の中が寒いのは仕方がない」と諦めていませんか?実は、家の暖かさは「UA値」という指標で決まります。これは数値が小さいほど、熱が逃げにくい(保温性が高い)ことを表します。

イメージしてみてください。真冬に「薄手のシャツ」で過ごすのと、「分厚い高級ダウンジャケット」を着るのとでは、体感温度が全く違いますよね。家における断熱材の種類や厚みが、まさにこれにあたります。

しっかりと断熱された家は、リビングと廊下の温度差が少なくなり、お風呂場やトイレでの「ヒートショック」のリスクも大幅に減らせます。商品名やブランドイメージだけでなく、「この家はどのくらい熱を逃がさないのか(UA値)」という基本性能に目を向けることが、家族の健康を守ることにつながります。

気密性能の指標:C値

いくら分厚いダウンジャケットを着ていても、前のファスナーが開いていたら冷気が入ってきて寒いですよね。家もまったく同じで、「隙間」が大敵です。この隙間の多さを表すのが「C値」です。

実はこのC値、設計図上の計算では出せません。一棟一棟、現場に機械を持ち込んで空気を抜き、実測しないと分からない数値なのです。つまり、C値が良いということは、それだけ職人さんが丁寧に隙間なく施工したという「丁寧な仕事の証明」でもあります。

C値は「1.0以下」が最低ラインです。隙間が多いと、冷暖房が効きにくいだけでなく、壁の中で湿気が溜まりやすくなったり、換気が計画通りに行われず料理やトイレの臭いが残ったりする原因にもなります。目に見えない空気の質にこだわることこそ、快適な暮らしの条件です。

結露対策と窓の選び方

冬の朝、カーテンを開けると窓がびしょ濡れ……そんな経験はありませんか? 人の健康のためには、冬場でも「室温20℃・湿度50%」程度が理想と言われていますが、一般的なアルミサッシでは外気で冷やされ、加湿するとすぐに結露してしまいます。

そこで重要なのが「樹脂サッシ」や「木製サッシ」です。窓は家の中で最大の「熱の逃げ道」です。ここにコストをかけず、断熱性の低いサッシで妥協してしまうと、結露によるカビやダニのリスクが高まり、アレルギーなどの原因にもなりかねません。窓の仕様を見るだけで、その会社が「住む人の健康」をどれだけ真剣に考えているかが分かると言っても過言ではありません。

夏の日射をどう遮るか

冬の日差しはありがたい暖房代わりになりますが、夏の日差しは強敵です。「夏、涼しい家」にする秘訣は、エアコンの性能以上に、「窓の外」で日差しをブロックできているかにかかっています。

実は、日差しの熱は「窓の外」で遮れば約8割カットできますが、室内に入ってしまってからカーテンで遮っても約4割しかカットできません。南の窓には適切な長さの「庇(ひさし)」や「アウターシェード」があるでしょうか? 大きな窓に庇がなければ、まるでストーブを焚きながら冷房をかけているような、効率の悪い家になってしまいます。自然の理にかなった設計がされているか、ぜひ確認してみてください。

鉄骨・RC造の断熱策

「鉄」は、木の約480倍も熱を通しやすい(熱を伝えやすい)素材であることをご存知でしょうか。そのため、鉄骨造やRC造は、木造に比べて「熱橋(ヒートブリッジ)」と呼ばれる熱の逃げ道ができやすく、結露対策や断熱において入念な計画が必要です。

もし鉄骨造などを選ぶ場合は、建物を断熱材ですっぽり包む「外断熱」などの対策がなされているかが極めて重要です。単に断熱材を入れるだけでなく、鉄の熱伝導率をカバーできるだけの厚みと施工精度があるかが、快適さを左右します。「頑丈さ」と「快適さ」を両立させるためには、木造以上の工夫と技術が必要になるのです。

冷暖房計画は設計段階で決まる

「エアコンは家電量販店で、部屋の畳数に合わせて買えばいい」と思っていませんか?実は、高断熱・高気密の家でその選び方をすると、オーバースペック(性能過剰)になりかねません。

断熱性能の良い家なら、6畳間を暖めるのに必要な熱量はごくわずかで済みます。家の性能に見合わない大きなエアコンを買うことは、初期費用も電気代もムダにすることになります。「この家の性能なら、どのサイズのエアコンで家全体を空調できますか?」と設計士に相談してみてください。適切な計画があれば、風が直接体に当たらない、柔らかな涼しさと暖かさを実現できます。

冬の日差しを味方につける

本当に暖かい家にするには「熱を逃がさない(断熱)」だけでなく、「熱を取り入れる」ことも大切です。冬の直射日光が南側の掃き出し窓から入ると、なんと「こたつ1台分(約600W)」相当の熱量になると言われています。これは、自然がくれる無料の暖房エネルギーです。

断熱性能を高めることと同じくらい、「冬の日差しをどう取り込む設計になっているか」が重要です。太陽の熱を上手に取り入れれば、日中は暖房いらずでポカポカと過ごせ、光熱費も抑えることができます。自然の恵みを最大限に活かす設計こそ、本当に豊かな住まいと言えるでしょう。

設計者の資格と信頼性

大切なお金を使って建てる家ですから、やはり確かな知識を持ったプロに任せたいですよね。本来、一般的な広さの住宅であっても、建築士が責任を持って設計することが望ましいです。しかし実際には、資格を持たない担当者が間取りを描き、最終確認だけ建築士が行うというケースも少なくありません。

医者や弁護士が無資格で業務を行えないのと同様、家の設計も資格を持ったプロが主導すべきだと私は考えます。「プラン作成は建築士の資格を持った方が行いますか?」という質問は、決して失礼ではありません。一生の買い物を託すパートナーとして、信頼できるプロを選んでください。

耐久性の確認ポイント

最近よく見る、軒(のき)のない四角い箱のようなデザイン。非常にスタイリッシュですが、耐久性の面では注意が必要です。軒は、家にとっての「雨傘」であり「日傘」です。これがないと、外壁は常に過酷な紫外線や雨風にさらされ、劣化が早まってしまいます。

だからこそ、軒の出を抑えたデザインにするなら、劣化を見越した「素材の厳選」が不可欠です。コーキング(継ぎ目)のない塗り壁や、時と共に味わいが増し、塗り替えを前提としない天然木、あるいは高耐久な金属サイディングなど。

初期費用は少しかかっても、将来の塗り替えや張り替え費用を抑えられる素材を選んでいるか。「30年後も美しい家」であるために、目先のデザインと同じくらい、この「素材選び」にこだわってほしいのです。

エアコンの室外機の数

モデルハウスや完成見学会に行ったら、家の裏側に回って「室外機の数」を数えてみてください。もし30坪ほどの一般的な大きさの家で、室外機がずらりと5台も6台も並んでいたら……それは「機械の力に頼らないと快適にならない家」かもしれません。

室外機が少ないことは、家の基本性能が高く、少ないエネルギーで家全体を冷暖房できている証拠の一つです。また、機械はいずれ壊れます。10年ごとの買い替え費用や、ご近所への騒音配慮などを考えても、家全体の性能を上げてエアコンの台数を抑えることは、将来の家計を守る賢い選択と言えます。

シンプルな形状の利点

「凸凹した複雑な形の家がかっこいい」と思われるかもしれませんが、プロの視点では、正方形や長方形に近いシンプルな形の家こそメリットだらけです。

地震の力が分散されやすく構造的に安定し(強さ)、外壁の面積が減るため建築費も将来のメンテナンス費も抑えられ(安さ)、熱が逃げる表面積が少ないので冷暖房効率が良くなり(快適さ)、さらには雨漏りのリスクも減ります(長持ち)。

パズルのように部屋をつなぎ合わせただけの凸凹な家ではなく、あえてシンプルに整えられた家を提案できる設計士さんは、コストと性能のバランス感覚が優れている信頼できるパートナーだと言えます。
気密は、カタログの数値ではなく実測で確かめるものです。

私の標準はC値0.5以下ですが、実測値は建物の坪数や形状、特殊な納まりの影響で変わります。実際のところ0.5から0.3の範囲に収まっています。

ここからさらに性能を上げることは可能です。ただ、費用対効果の面で見ると、ランニングコストも体感も差は極小で、意味をなしません。だからあえて上げていません。数値を競うことが目的ではないからです。

もちろん「もっと上げたい」という個別のご要望があれば、費用のご負担とあわせて実現可能です。

「そこまでの断熱は要らない」と言われたとき

「断熱は、そこまで必要ない」。決まり文句のように言われることがあります。

そのとき私は、根拠をお示しします。断熱等級7には医療的・科学的な裏づけがあり、しかも一生背負い続ける性能だからです。数値の話ではなく、この先何十年の体調と光熱費の話として説明します。それでもご予算の兼ね合いで難しい場合は、無理に押しません。植栽や窓の取り方を工夫して、できる限り快適になるよう最善を尽くします。

私が三つの数字を、同じ図面で扱うのはなぜか

耐震・断熱・気密。この三つを、別々の話だと思われていないでしょうか。

私はどれも同じ図面の上で決めています。全棟で構造計算(許容応力度計算)を行い、断熱は等級7・UA値0.26(地域区分5)、気密はC値0.5以下を基準として実測は0.3〜0.5でした。

三つが絡み合うのは、たとえば窓です。大きな窓は開放感を生みますが、耐力壁が減り、熱も逃げやすくなります。どこにどの大きさで入れるかは、三つを同時に見ないと決まりません。

C値だけは、設計図では決まりません。現場の納まりで決まる数字ですので、必ず実測しています。

おわりに

住まい選びは、たくさんの情報があって本当に迷ってしまいますよね。でも、今回ご紹介したポイントは、流行り廃りのない「物理的な事実」に基づいたものです。

これらの要素を一つの基準として使うことで、候補の会社が「デザインや価格だけでなく、あなたの家族の安全と健康を本気で考えているか」が、きっと見えてくるはずです。

どうぞ、ご自身の感性や好みと同じくらい、この「見えない性能」も大切にしてください。それが、10年後、20年後も「この家を建ててよかった」と家族みんなで笑い合える未来につながります。

あなたの住まい選びが、素敵なものになりますように。

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